雲より速く 夏を追いかけた 待っているだけじゃ駄目なんだ コンクリートの海を抜け出した 排気ガスがふわり 水面に浮かんでいた 不透明な気象も将来も 何一つ恐ろしくなかった 交響曲が響いていた 高架下 蝉の鳴き声よりも 大きな工事の音 ゆれる景色の向こうは 1枚ずつ薄着になる 青と白が混ざりあった頃に 風に乗っていくのさ 風に乗っていくのさ スカイブルーの部屋まであと少しだ 机に書いた落書きが 真実になるとするなら もう一度必ず会えるはずだから 空っぽになったペットボトルと ノイズみたいな蝉の声が 問いかける 問いかける もうやめようと言いかける 背丈より高い雑草 突きつける現実 溢れる焦燥 交わる事ない点と点 落ちたアイスがやけに毒々しい ポケットの中 固く握った手で 何か変わる そんな気がしていた 線香花火が消えてしまうまでは 温もりに触れていたくて 風に乗っていくのさ 風に乗っていくのさ スカイブルーの部屋まであと少しだ 繰り返される 平穏とすれ違いの連続に もう二度と嘘はつかないよ 風に乗っていくのさ 風に乗っていくのさ 使い古した決め台詞だけ持って 机に書いた落書きが 真実になるとするなら もう一度必ず会えるはずだから 雲より速く 夏を追いかけた