露草に埋もれた膝を立てながら 束ねた黒髪を櫛で梳す 閉じた瞳に涙が溢れ頬つたう 揺れる小舟だけが 霧に浮かぶ 枯草に塗れた靴を脱ぎ捨てて 素足でいつまでも浅瀬漂う 水鳥がざわめき 空に舞い踊る 森はただ 静かに風を止める 泣かないで 僕はここにいるから 永遠に ずっと 君が教えてくれた 子守唄 唄うよ 君が眠れるように 幼い日の唄を 白い絹のような雲が降りてくる 水面は音もなく君を包む 強く抱いた腕を そっとすり抜ける 波紋だけが遠くうすれ消える 帰ろうか君の生まれた街へ 戻れるさ きっと 君が教えてくれた 子守唄 唄うよ 君が眠れるように 幼い日の唄を 二人眠れるように 幼い日の唄を