この町に来てからもう三年が 経とうとしている バイパスは今日も完成しない 一日放っておいたら 自壊しそうなあなたと 買い出しに出る 金木犀 定義に従い感じる朝の日差しに 瞳孔を絞り、 光とあなたの区別を明確にする 毎日、その機微を知っていく 移ろう空 大気の揺らぎが浮き彫りにする 美しい形 歩く為の体 間違いなくそう言えるのは どこまでも、どこまでも、 連れていきたいと思ったから この町に来てからもう三年が 経とうとしている 道はあいも変わらず 舗装されたまま、 やはり私の振動を伝えてはくれない 空が低い まばたきしたその拍子に、 消去されていた記録の断片が 再生される また 終わらせてしまうのか だがあなたは、 やはり構いもしないで 連れていってしまう これが私の歩く意味だと、 言わんばかりに
