風が 頬を撫でる 夕間暮れ 冷えた 手のひらをかざすけれど 過ぎた あの日々がこぼれ落ちる 思い出す 淡い記憶 君が残した 言葉にそっと 触れた 温もりが重なるように 何度も幾度も駆け巡るの とめどない 甘い記憶 もし この道の先 同じように歩けたら 振り返る街 足跡を残せたかな? 嗚呼 君の顔を 見ることさえできない 私だから ずっと 離せなかった手と手に 託していた 想いを 立ち止まることを選んだはずなのに どうして 今にもなって思う 言えなかった言葉も 嘘も愛も すべて消して ゆっくりと 小さくなる背中を 「待ってよ」と 伸ばしただけのこの手は もう 届かない 分かってる それは 分かってるから 時を戻して… 叶うのなら 肩に寄りかかる君の顔も ふわり 誘い込むあの香りも オレンジ色の季節を巡る あの日々に 鍵をかけて 嗚呼 君がくれた 景色に染まらない 私だから 足跡は途切れても 続いてくんだ 明日へ 少しずつ 色を足していくことが できるようになるその時は 見たことない季節の 物語が動き出すよ 君を巡る 風が 頬を撫でる 夕間暮れ