君の跳ねた後ろ髪が 光をまとって そっと揺れる 並木道 白い袖翻り 僕らを一層 春に仕立てました はらり宙を舞い 指をすり抜ける 春の欠片が 二度と戻らないことを まだ知らなかった 百の春が来ようとも 千の花が咲こうとも 君がいなければ色もない だから せめて 散りゆく花を僕らに例えよう 散れ この恋も約束も 春とともに連れ去って 花の行方は誰も知らない 街縫う人らに花便り 恋に身焦がし咲き誇り それら脇目に心残し 愛に成り損じ 夏隣 君は思い出になった 百の春が来ようとも 千の花が咲こうとも 君がいなければ色もない だから せめて 散りゆく花を僕らに例えよう 散れ この恋も約束も 春とともに連れ去って 花の行方は誰も知らない 春ひとつ散りゆく 風が空を駆けてく