凛と佇(たたず)み つんと誠に やんや傾(かぶ)いてみせましょうか 盃に花、浮かべて候。 宵や宵やさ皆の衆 えいおう 今日の労い 呑め じゃんじゃん 勝利の美酒を交わそう えいおう 詠(うた)え踊れや えいやー えいやー 百花繚乱(ひゃっかりょうらん) 命花(いのちばな) えいおう 美々(びび)しく散らす 徒花(あだばな)を はっはっ いくさに生くるもののふは えいおう ぱっと咲ければ それでいい 勝つか負けるか生きるか死ぬか それだけのこと 朱柄(あかえ)の槍をいざ打ち振るい 凛々しく舞う 傾奇者(かぶきもの) いくさこそが 真の漢(おとこ)の 宴だと呼ぶのならば 一献の夢 酌み交わして 月へと鬨(とき)をあげろ たとえ明日(あす)に散っても 咲けるならそれでいい 盃に花、浮かべて候。 大仰(おおぎょう)に いこうや 宵や宵やさ皆の衆 えいおう 俺に続けや それ やあやあ 明日(あす)のこと気にせず えいおう そら楽しめ えいやー えいやー 桜花爛漫(おうからんまん) 花篝(はなかがり) えいおう この胸のおく燈(とも)した野望 滾(たぎ)る焔(ほむら)が 天を焼く えいおう 漆黒の闇 消しながら 意地を通すのも不便なものよ だが、それがいい 惚れた女が求むるならば 笑みて死ぬる 傾奇者(かぶきもの) 凛と佇(たたず)み つんと誠に やんや傾(かぶ)いてみせましょうか 泡沫(うたかた)の夢 天へと掲げ 勝利の土気を上げてゆけ たとえ明日(あす)に消えても 燈(とも)した芯(あと)は残る 盃に炎、浮かべて候。 さぁ騒げ 朝まで いやいや傾奇者(かぶきもの)は どこでのたれ死んでも後悔せぬもの それゆえの自由でござれば 命狙われるも 一興(いっきょう)でござる 喧嘩も遊びも命もかける 覚悟はあるか? 仏も鬼も斬り捨て御免 前田慶次が傾(かぶ)いて候 いくさこそが 真の漢(おとこ)の 宴だと呼ぶのならば 愛の焔(ほむら)を 切先(きっさき)に込め 雲さえも斬り進もうか 無法、天に通ず! ごうと雄叫(おたけ)ぶ 真のつはもの 金襴緞子(きんらんどんす)を 纏(まと)いて 修羅へ続く 一本の道 退(しりぞ)くは美徳ではない 常識を蹴飛ばして まっすぐに生きてゆけ 盃に花、浮かべて候。 嗚呼、雲のかなたへ さぁ駆けろ 晴れやかに