私の真っ赤な傘と君の水色の傘は 声が途切れるたび 傾いで遠離る ひとつの傘じゃ狭いねって あの日わがまま言ったのが 願いもしないのに 叶ってしまうなんてね じゃあもうバイバイねって言葉を 投げたのは 一滴でも愛を感じたかったの だけどそんな風に笑って頷くから そのままで 握り締めた傘を離せなかったの あともう少しだけその傘が揺れ 動いたら 雨になって君の肩に撥ねたのに 私ひとりだけ聴いていた鼓動が ただ雨音に消えてゆく 君の水色の傘はもうすぐ雨に滲んで 私と赤だけが街に溶け残る 水彩画のように頼りなく 崩れたのなら 流れ出して同じ雫になれるの だからもっと冷たい雨に打たれた 顔してよ そうすれば涙さえ 見せつけられたのに あともう少しだけ君の感情が 揺れたなら 雨になって胸に降り注いだのに もしあの言葉が雨に消えたなら きっと想いを伝えられるのに 嗚呼 心まで 溢れ出してしまうなら・・・ だけどそんな風に笑って頷くから そのままで 握り締めた傘を離せなかったの あともう少しだけその傘が揺れ 動いたら 雨になって君を抱きしめられたのに 最後にわがままひとつ言えるなら この雨は止まないでほしい