まだ茹だる 夏の夜風さえもが 肌をすかしたような ままならぬ 春の気持ちだけ今は 浮いた気がしたような ただ急ぐ 秋の気配隠した 空の模様と傘 絡みつく 冬の思い出からは 見慣れぬ あの懐かしさ ぼくら いつの日だって綱渡り ふわり 帽子が舞う 道路揺らぐ陽炎通りは 日々と違った人通り 歩くぼく一人を見下ろしては 爆ぜる音だけした 破れない ポイの上で ふらり 踊るぼく 今のぼく 君が見れば あの日よりも娯楽でしょう 夏を避ける線香立てては 君と違った夏終わり 馴染むぼく一人を慰めては 落ちる音だけした 道路揺らぐ陽炎通りは 日々と違った人通り 歩くぼく一人を見下ろしては 爆ぜる音が消えた