別れを告げもせず色彩は零れていく 空いた部屋 静かに芽吹く透明な悲しみ 忘れるほど飲み込んだ孤独も痛みも ゆりかごに添えられた 手紙に書かれていた 絡まり解けない冷たい紐 君はどこにいるの もうわからないんだ 悲しみを抱いて見上げた月さえ 僕のことを 許さないと歌う こんなはずじゃなかった 浅くなる呼吸と循環する街の音 消えていく灯の炎が揺れる 祈りは届かない すがる人はもういない 悲しみを抱いて 落ちていく 夜の水底へと 零になる最後 見上げた月にはもう届かない 悲しみを抱いて 愛した全てを今忘れて 消えてしまっても あの月は何も変わらない こんなはずじゃなかった