目を伏せれば 見えずに済むじゃない 笑み続ければ 泣かずに済むじゃない 凍てついた日々も この心 温度を合わせば 釣り合う恋になれるじゃない 「ふたりは幸せ」 諳じるように 色のない言葉を覚えた舌じゃもう 機械のように 錆び付き 冷たい声/台詞で 今日を騙るしかできなくて 見つめなければ 合わない目を知らずに 春の陽だまりのような 眼差し憶えて 幸せのさなかを 生きられる それでいいの 奪わないで 恋が終わる筋書きのドラマは録画を 消して されどメルヘンのようなルポじゃ 遠くって 日記の余白が 雪のように積もっていく まさか語るに落ちる最後は御免 見つめなければ 心のヒビは知りえない 秋の深く染まる紅のような 頬だけ憶えて 日がなあの頃が 瞼に光るのは 割れた数だけ 乱反射するから 散らかった心のまま バラードになりきれない癖に 継ぎはぎの言葉で 哀しみ凍らせ 閉じ込めたって あふれ出すのに 見つめなければ 哀しみを知らずに 春の陽だまりのような 眼差し憶えて 幸せのさなかを 生きられる それじゃ駄目だと もう諭してもくれない 見つめなければ、 合わない目を知って。 願った雪融けじゃ決してないけど 幸せのさなかを 振り返れば 哀しみごと愛しい恋だった
