人の云う アメリカの きらびやかな夢に つい誘われて 彼は 船に乗ってしまう 知らない人ばかりの 異国の空の下 ドルを追いかけながら 空いた腹をかかえで 傷ついた 移民達の中にまじって 彼は呟く どこにあるの プラス・ブランシュ 悪友たちの たまり場 通いなれた 居酒屋と 角の小さな タバコ屋 日曜ごとの ヴァルス・ミュゼット 懐かしい あの アコルデオン 2スウで買った コルネドフリット 懐かしい 油の匂い……。 今、いづこ……。 けれども モンマルトルも 流れさる季節に すこしづつ 変わり果て 常連(なじみ)の店もなく 丘の上の 空地は 銀行の予定地 わんぱく浮浪児どもの けんかの場所もなく せめて 名残りに やさしく唄おう……。 古き昔を……。 どこにあるの ブラス・ブランシュ 悪友たちの たまり場 通いなれた 居酒屋と 角の小さな タバコ屋 日曜ごとの ヴァルス・ミュゼット 懐かしい あの アコルデオン 2スウで買った コルネドフリット 懐かしい 油の匂い 今、いづこ……。 日曜ごとの ヴァルス・ミュゼット 懐かしい あの アコルデオン 2スウで買った コルネドフリット 懐かしい 油の匂い 今、いづこ……。
