古いアパートのベランダに立ち 僕を見おろして少し笑った なまぬるい風にたなびく白いシーツ 魚もいないドブ川越えて 幾つも越えて行く二人乗りで 折れそうな手でヨロヨロしてさ 追われるように 幼いだけの密かな 掟の上で君と見た 夏の魔物に会いたかった 大粒の雨すぐにあがるさ 長くのびた影がおぼれた頃 ぬれたクモの巣が光ってた 泣いてるみたいに 殺してしまえばいいとも思ったけれど 君に似た 夏の魔物に会いたかった 幼いだけの密かな 掟の上で君と見た 夏の魔物に会いたかった 僕の呪文も効かなかった 夏の魔物に会いたかった