気怠い午後の西日が張り付いた 窓際を写す鏡 慣れない明るい髪 そこはかとなく嘘みたいな 街にも慣れました あなたが言っていた程 冷たくもない街 愛を知るよりまだ少し 傷付かないでいたい これからは その手が、声が 届かないところで あなたにはもう言わないこと あなたがまだ知らない人 あなたのいない場所がいまは 私を作っている 無口な背中に理由を察して 選んだ正解に遠い 言葉は空回り あの頃は確かにあなたを 必要としていた まるで遠い昔の様に 色褪せた記憶 狭くて使いづらいシンク バスはユニット クローゼットは最小 夜明けに向かいの自販機で 熱いコーヒーを買ったりして 誰かと二人で その手が、声が 届かないところで あなたにはもう言わないこと あなたがまだ知らない人 あなたのいない場所でいつかは 私も変わっていく 何度かに一度くらいは 電話も取るから さよなら またいつか会う日まで 僅かでも確かに気の向く方へ あなたにはもう言わないこと あなたがまだ知らない人 あなたのいない場所がいまは 私を作っている 少しずつ変わっていく