“何を” “知りたいの” “何も” “言わないで” 真実とはほど遠い空腹の朝 杭のような言の刃が 心臓の何処かに出しゃばっては 僕の命の邪魔をしていた 「愛のため」とか「君のため」とか 都合の良い 脚本でどうにかしようとしながら 数式が正解(こたえ)を求めるように 空白が許しを求めるように “何を” “知りたいの” “知らないの” “言わないの” “言わないで” “知ってるよ” “君が後悔していること” 痛いの 死にたいの? 知らないよ ねえなんで? 構わないで 知ってるよ 空腹で歩けないのでしょう ココロ 身体 食い違うケモノ 在るがままの 悔い残し 楔 痛み 慈愛 クライア 錆びてゆく言葉よ 僕を 繋ぎ止めてよどうか その杭で もういっそ! 「嫌いだ」 ひと思いに噛み付いてしまえよ ―いつからだろう その言の刃が君のものだと 気づいていたのは 真実とはほど遠い空腹の朝 君の残酷で優しい言の刃が 身体中に出しゃばっては 僕の命を繋ぎ止めていた 「愛のため」とか「君のため」とか 都合の良い脚本の間違いを 指差しても 正解(こたえ)なんてわからないのに クライア 錆びだらけの身体で 君を 繋ぎ止めるよいいね しがみ付いて もう一生 「痛いや」 ひとひらの命の差し引き ―いつからだろう その言の刃は僕のクイだと 気づいていた 涙 出しゃばるたびに塞ぎ込んで 塞がれた世界の幸腹に飲まれて きっと僕らはそういう 存在なんだろう 在るがままの 句意 残し 楔 痛み 慈愛 マリア 錆びだらけの言葉よ 僕を 繋ぎ止めてよどうか すくい上げて もう一度 だから 君にどうか生きて欲しいの ―どうしてだろう その言の刃が 心地よくてしょうがなくって クライア 錆びだらけの言葉で 君を 繋ぎ止めてよどうか すくい上げて もう一生! 嘘吐き(ライアー)! ひと思いに噛み付いて叫んだ ―どうしてだろう その言の刃が 愛しくてしょうがないのは “何を” “知りたいの” “知らないの” “言わないの” “言わないで” “知ってるよ” “君が後悔していること” どうか 行かないで サヨナラを 言えなくて 飲み込んで 理解した 僕が正解(こたえ)を知っている事 それがどんな都合良い 僕の脚本だろうと構わなかった 君の愛は 僕に突き刺さった最後の、 “杭”だ