私にとって オンタイムのデヴィッド・ボウイは、『レッツ・ダンス』(83年)。
ナイル・ロジャースとの共同プロデュースの本作は、ノリよく かっこよかった。
それ以前は、ちょっと変わった イマイチ乗り切らない アンダーグラウンドなミュージシャン った印象でした。
初めて聴いたのが『ゴールデン・イヤーズ』。
不思議な感覚の曲で 変だけど 嫌いになれない曲...った感じ🥴
70年代前半のデヴィッド・ボウイは、T・レックスのマーク・ボランと共に《グラムロック》と呼ばれていました。
《グラムロック》って いったい何だろう……
《魅惑的》を意味する《グラマラス》から とって「グラムロック」と、Wikipedia に由来が載ってます。
アメリカでは《グリッター・ロック》と呼ばれてるようです。
70年代 経済・政治など 衰退していくイギリスの《良き時代の終焉》と、世界的な《自然回帰運動》などへの反動で、人工的なもの、いわゆる《らしさ》への反発
中性的な風貌、奇抜な衣裳、煌びやかでけばけばしいメイク……
今も《ビジュアル系》に大きな影響を与えていると思われます。
サウンドの特徴は、明確なものは無いみたいですね。
今回は その中で、70年代グラムロックから『レッツダンス』に至るまでの デヴィッド・ボウイの LIVE 盤の特集を 😄
①『屈折する星くず』(72年)……
1972年の5枚目のアルバム『ジギー・スターダスト』よりタイトル・ソング。
正直、『ジギー・スターダスト』に『屈折する星くず』なんて邦題があるの知らんかった😵
Wikipedia によると
原題『 The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars 』⇒『ジギー・スターダスト & ザ・スパイダーズ・フロム・マーズ の栄枯盛衰』
というタイトルですが
当時の日本の担当ディレクターの高橋明子さんが
『屈折する星屑の上昇と下降、そして火星から来た蜘蛛の群』
と直訳な感じの邦題を付けて、話題性を狙った…と書いてあります。
スタンリー・キューブリック監督の64年作の映画
『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』
や
ピーター・ブルック監督の67年の映画
『マルキ・ド・サドの演出のもとにシャラントン精神病院患者たちによって演じられたジャン=ポール・マラーの迫害と暗殺』
などを意識して、同様の効果を狙った題名の感じがしますね。
②『ゴールデン・イヤーズ』(76年)……
スティーヴン・キングのTVミニシリーズ『ゴールデン・イヤーズ』(91年) でも主題歌として使用されてました。
デヴィッド・ボウイ 9枚目のアルバム『ステイション・トゥ・ステイション』(76年) に収録。
76年に全英8位、全米10位 のヒット曲。
ブラック・ミュージックを意識したアルバムのようです。
③『スペイス・オディティ』(69年)……
1967年のデビュー・アルバム『デヴィッド・ボウイ』をリリース後
チベット仏教を学んだり、リンゼイ・ケンプの元で パントマイム等を学び
演劇的な表現力を身に付けたボウイは、『スペイス・オディティ』のデモ・テープを作り売り込み、マーキュリー・レコードと契約。
「アポロ11号の月面着陸」のブームに乗り、全英5位の最初のヒット曲になりました。
1975年にはカップリング曲を変え 1位になりました。
スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』の原題『2001 : SPACE ODYSSEY 』(68年) にインスパイアされた曲ですが、
綴りが違っていて
『 SPACE ODDITY 』になってます。
この《 ODDITY 》には「風変わり」「変人」を意味し、パロディ・ソングでもあったのでしょうか…
♪♪
地上管制官から トム少佐
地上管制官から トム少佐
プロティン錠を飲んで ヘルメットを装着せよ
地上管制官から トム少佐
秒読み開始 エンジン始動
点火装置チェック
では、神の愛が君と共にあらん事を……♪♪
④『火星の生活』(71年)……
1971年の4枚目のアルバム『ハンキー・ドリー』に収録。
inspired by Frankie と書かれているように、フランク・シナトラの超有名曲『マイウェイ』のオマージュ曲。
と言っても、ボウイは、『マイウェイ』の原曲
クロード・フランソワの67年作『 Comme D'habitude 』に、68年に英語の歌詞を付け
『 Even a Fool Leams to Love 』を作ったが発表されず……
後に、ポール・アンカが権利を買って『マイウェイ』として大ヒットさせました。
インスパイア by フランク・シナトラは、報われなかった自作への自虐ネタですかね…
また、ビートルズの『ア・デイ・イン・ザ・ライフ』(67年) へのアンサーソングとも言われてます。
シングルリリースは73年に発売され、全英3位。
⑤『スターマン』(72年)……
72年の『ジギー・スターダスト』に収録。
5年後に迫る 資源枯渇を原因とする地球の危機に、異星から メッセージを届けに来たロックスター《ジギー・スターダスト》の栄光と没落を基本ストーリーにした《コンセプト・アルバム》
♪♪
あれは《スターマン》 空で待っているのさ
ボク達に 会いたがってるけど
刺激が強過ぎないか 心配してるんだ
あれは《スターマン》 空で待っているのさ
「台無しにするな」って彼は言う
彼は全ての事には 意義がある知ってるんだ ♪♪
1972年 全米65位、全英10位。
スズキの車のCMソングでも使用されましたね。
⑥『フェイム』(75年)……
1975年の8枚目のアルバム『ヤング・アメリカンズ』より 2枚目のシングル・カット。
デヴィッド・ボウイ、カルロス・アロマー、ジョン・レノンの共作。
全英チャートは 8週連続チャートイン、最高位 17位。
全米はビルボード Hot 100 で、初の1位!
ダンス・ミュージック部門 2位。
ゴールド・ディスクになりました!
アコースティック・ギターで参加したジョン・レノンが、録音時 大きな音で 息を立ててたのを
「 fame 」って聴こえるとこから、歌詞が生まれたそうです。
⑦『ダイヤモンドの犬』(74年)……
1974年の7枚目のアルバム『ダイヤモンドの犬』からタイトル・ソング。
ジョージ・オーウェルの『1984年』に影響を受け、西洋文明が崩壊した後《ハンガー・シティ》で起きるストーリー...のコンセプトアルバム・アルバム。
ベルギー人アーティストのガイ・ピラートによる、上半身 ジギー・スターダスト、下半身は犬の イラスト・ジャケットが素晴らしく良い!
このアルバム・コンセプトによる『ダイヤモンドの犬』ツアーは、
25万$もの大金をかけ 古いドイツ映画の『メトロポリス』と『カリガリ博士』の世界観をモデルにしたような 物凄いセットを作り、
観客からも批評家からも絶賛された……
が
この大規模コンサートは 組み立てに10時間以上かかり、スタッフの疲労困憊は 酷く
疲労とストレスから あわや大惨事の事態を招き、
舞台装置無しで、開催しなければならない日があった との事。
求めるレベルが高いと、苦労が絶えません😫
⑧『ヒーローズ』(77年)……
1977年の11枚目のアルバム『英雄夢語り ( ヒーローズ )』より 最初のシングル・カット。
ベルリン在住の《ベルリン時代》の作品。
ベルリンの壁の傍らで 落ち合う恋人たち の姿を見て、この曲を書いたとの事。
最初のレコーディングでは約8分の大作で、最終的に6分強の長さにしました。
全英では最高位24位 とヒットしたとは言えない成績ですが、
カバー や 映画や ドラマで使用され、人気の曲です。
♪♪
We can be heroes / Just for one day ♪♪
……素敵なメッセージですね。
オーストリアの画家 エゴン・シーレの自画像を真似たポーズのジャケットの撮影は、鋤田正義 ( すきた・まさよし )。
この曲は ボウイが亡くなってから、ストリーミング・サービスで10億回以上 再生されたとの事。
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