なむあみだぶつ。のはてのはて

ナンバーガール御臨終のちのギタリスト田渕ひさ子の軌跡を追うリスト。博多の素朴な少女然とした風貌にしてこのパンキッシュなギター🎸⑦ではボーカル(やっぱり素直で素朴な声)も聴けます。 気がつきゃどぶ臭い路地裏の 吸い殻ちらばる地面にのされ 古びたビルの谷間越し きれいな星空見上げてた。 ひしゃげた鼻から血を流し 鈍いアタマをめぐらせば 酒臭い中年おやじの赭ら顔。 日頃の不満の捌け口か 独りよがりに世間を恨み 妬み嫉みのどぶ臭い反吐を撒き散らす。 おじさん同情はせんよ知らんけど。 念仏となえてはよう死ね。 救われないよ。なむあみだぶつ。 薄っぺらいきみの処女膜 薄っぺらいパンティと一緒に脱ぎ捨てて 蛹から孵るは蝶か蛾か。 妖しげにリンプン振り撒いても つまるところはそこいらじゅうで 視姦の的なるが関の山。 喰うか喰わるるか用心するが肝心よ。 艶やかに広げた蝶の翅もあっというまに蝕まれ 根こそぎもぎとられては捨てられる。 穢れと不信のはてのはて やがてはすんなり同化する。 薄汚れた穢土の街の 薄汚れて蠱悪的なマガイ仏に。 なむあみだぶつ。のはてのはて ひしゃげた鼻から血を流し 古びたビルの谷間越し 星空みあげて祈りを捧ぐ。 ひとりぼっちで肥溜めに沈む 見知らぬおじさん見知らぬ少女よ 救いのてだては存ぜぬが やみくも心を傷めてる おれもひとりのホトケだよ。