まんまるの 月がお節介で 照らしてくれた夜に 「山茶花じゃねえ、姫椿だって」 オヤジは言った コンクリートの冷えが 身体を伝ってくる夜でも お前はそのベンチに 座って笑っていた 俺は駆け出した 今日は帰ろうって思った 俺は駆け出した 今日は帰ろうって思った 遠く置いてきた筈だったけど 側にずっと お前の耳元 真っ赤な花 楽しい記憶が 沢山増えると それでさえも 忘れてしまうのかな 背筋を 伸ばすのは星空を 掴む為に 決まってるだろう コンクリートの冷えが 身体を伝ってくる夜でも お前はそのベンチに座って 笑っていた 俺は駆け出した 今日は帰ろうって思った 俺は駆け出した 今日は帰ろうって思った 闇の中を駆け抜けてきたお前の声 置いてけぼりは どうやら俺の方みたいだ 俺は駆け出した 今日は帰ろうって思った 俺は駆け出した 今日は帰ろうって思った 遠く置いてきた筈だったけど 側にずっと お前の耳元 真っ赤な花