退屈な映画の中の 誰も覚えていないような 起承転結の承の部分 うずまき模様の日々のこと ひとりぼっち同士のままで 出会えたような僕らは お揃いのせいでちょっとだけ 寂しくなるのはどうして 泣き止んだ夜のすきま風に 染みつく夏の匂い 届きそうで届かないような 掴めそうで追いつけないような 誰にも見せないままでいてよ あと少しで溢れそうな こぼしたら消えてしまうような 手のひらの温度は ただ冷めていくだけ まぶしい穴のあいた夜空が きれいに見えるよ 気のせい まだ みおとしてる 退屈な映画のあとで 知らない道を選んで帰ろう 起承転結の転の部分 いつか大切に思えるでしょう あと少し 言いかけた台詞を 噛みつぶした苦さが消えない 月明かりが見えなくなる前に 君がふいに笑ったんだ 届きそうで届かないような 掴めそうで追いつけないような 答えは言わないままでいるよ あと少しで溢れそうな こぼしたら消えてしまうような 当たり前のせいにして飲み込むだけ 夢が覚めても 近くにいる気がしたのも 気のせいじゃもう足りないから 運命や奇跡みたいなのは むず痒いけれど それよりも 言葉では間に合わないほどに まぶしい日々のこと 届きそうで届かないような それでも届けたいのは はじめから僕らずっと お揃いだったんだ 掴んだら離さないように できるだけ離れないように 手のひらの温度が きっと解けないように 雲のむこうの月さえ きれいに見えるよ 気のせい いや 君のせいだよ