まだ寝惚けたままの頭と 絡まるイヤホン 窓辺に映る この胸いっぱいの空の色 夕方5時のチャイムが滲む あのとき言えなかった言葉が 喉につかえたまま息をするのが 精一杯の僕のこと 知らずに回るこの街のこと いつの間にか聴かなくなった あのバンドは今日も歌ってる 止まない雨はないとか 聞き飽きたってのも言い飽きたよ 斜に構えたペンじゃ どうにも上手にインクが出ないな 夢とかそういうの書けたのにな 夕紅 自転車に乗って 上り坂を避けて 褪せる今日にさよなら なんでもない日常にだって きっと意味があるんだ あるはずだけど ただ 横目に流れる雲が なぜだか目に染みるのです 路地裏 そっと響く足音 歩き疲れたまま影を踏むのが 精一杯の僕のこと 塞いだ目に浮かぶ君のこと いつの間にか嫌いになった あのバンドは今日も歌ってる 明けない夜はないなんて 誰でも知ってんだから黙ってろ馬鹿 依然絡まったイヤホン なかなか無線にしないのはなんで 他人事のような空が ちょっと綺麗に見えた気がした 夕暮れが街を染めていく 日々の隙間から眺めている 夕暮れが街を染めていく 少しだけ背伸びして見ている 夕暮れが街を染めていく 思うように言葉が出なくても 掠れかけたペンで書いたような 日々の意味を君と知りたい 夕紅 自転車に乗って ここの坂だけは 避けて帰れないから まだ暮れない群青に向かって 影を踏んで歩くのが精一杯の僕でも なんでもない日常にだって ずっと意味があるんだ これからもきっと ただひとことだけが言えたら どんなふうに笑ってくれるだろう