スプーンで少しずつ掬った バニラみたいに 君もいつか溶けて なくなってしまうのだろうか 愛の浅瀬に迷い込んだ蝉のよう 君の中で鳴きたかっただけなの ねぇ僕はさ、君の何だろう 夢に敗れた僕らは 傷を舐め合っては 「甘いね」と言ってふざけた 君の死ねない 理由のひとつになれたら なんてな 洗濯機にもたれて 泣いている君 濁る心 委ねあった日々の質感まで 奪わせないで お願い 夕立が引き摺り出す あの頃のあれこれ 忘れられないから 君を解放してあげられないの 分かりにくい男が好きなら 僕の前でそんな顔しないでよ 諦めがちな僕らは 真夜中 指を絡め 光を数え歩いていた 早足になってしまったのは 突き放すためじゃないの 君が溢れてこぼれそうだったから 笑わせる為の替え歌も今じゃ 君を泣かせてしまうだけだね