涙はよして貴女は 綿菓子みたいに儚いから 甘いだけじゃ人の世では 泣いても枯れても磨り減るの 唇をキュッと結べば 笑顔ね きっと可愛い 言わなくていい それ以上 なにもかも全て解るから 汚れた口端を拭うクロスみたいに 真白い貴女を見つけた雪の日 祈るように哭いていたのは そうきっと私のほうね 救えぬ魂に零れた心は とうに凍り付いてたはずなのに 穿たれた胸に咲かれて どう忘れることができて? 穢れえぬ神の真似事の罰かしら まるで子羊の哭くように祈るなんて 歯の軋むほど甘い 焼き菓子をひとつと 貴女が名付けた花を そっと手向けてくださる? 咲くように微笑って 貴女は言う「花になりたい」と 貴女のように花は微笑える? ねぇ 雪よりも白く、星よりも永遠に その幼すぎる願いと 清らに象られた結晶のように 二度と同じ 日はない日常(とき)の中で 思い出したの 信じることを でもそれは失うことだと 気付いた瞬間 影は「幼気な少女」 もう「死神」のままではいられない ごらん 降り積もる雪を 時は全て包むの やがて温もりが孤独を溶かす 今日哭けど 夜は明けて雨は上がり季節は巡り やがて必ず春が来るわ 人の生き方は必ずしも 痛みや悲しみから逃れられはしない けれど 雪が散り散りに舞うように 貴女の道で咲き誇って 流れる雨となって貴女へと降るわ だから笑顔で目を閉じて これは絆の証 消えることのない