カーテン越しに月の光が部屋を満た して 狭い世界 水槽の中 私一人ぼっち 遠ざかる水面に移りこんだ光は いつかの二人の淡い残像 この手でさらえば歪んで消える それなら このまま 沈んでいけ 口を開けば溺れてしまうから 閉ざしたままで物言わぬ魚になろう エサもない 酸素もない 愛もない 飼い殺しにされる私 囚われた心をどうしてくれよう? 誰か壁を外から叩き割ってよ 終わりが来るなら最期くらいは 自分で幕を下ろしたいわ 青白く浮かんでは消える 液晶画面 繰り返す点灯の中 私一人ぼっち 横たわる体が熱を失ってゆく 記憶のかけらを置き去りにして この手で触れば傷つくこと わかってそれでも振り切れないまま 思い出すたびにすがってしまうから 光も届かない底でただ泣いてるだけ 冷たく濁ってゆく水の中 もがき続けている私 焦がれる心をどうしてくれよう? いっそこの身を全て燃やし尽くして よ 貴方の声が聞こえない場所で せめて静かに眠りたいわ 力なく浮かんだ私の体を 見下ろしたその眼には何も映っては いなかった 口を開けば溺れてしまうから 閉ざしたままで物言わぬ魚になろう エサもない 酸素もない 愛もない 飼い殺しにされる私 囚われた心をどうしてくれよう? 誰か壁を外から叩き割ってよ 終わりが来るなら最期くらいは 自分で幕を下ろしたいわ