それが運命なのよ 働きIAと女王IA 地下に人知れず IAだけが暮らす城 女王IAに忠誠誓う 雄IAと雌IA 健気なメイド達は 美食に腕ふるい 可愛い可愛い王子達は 甘いシロップを貢いでくれる 掟に従い 本能に従い 未練も不満もなかったはずなのに 運命のMsか? メイドの一人が青年へ性徴 あなたはもう少女じゃないのよ 少女じゃない 処女じゃないのよ 私の相手をしてくれるだけで いいのに 螺旋を踏み外した王子が 4色の糸をほどいて 心海深く 何か目覚めた これが運命なのね 働きIAと女王IA 食わざるもの 働くべからず 雄IAの掟破り 彼は今朝もメイドに混じり 「陛下のためです」と まっすぐな眼差し 本能超えた忠誠心 知らず高鳴るストリンジェンド 「あなたのことがもっと 知りたいの」 「身に余るご贔屓、大変恐縮です」 形式的な愛しか知らない彼に 芽生えた思いが伝わることはない 赤にも青にも染まらない あなたに触れてみたいけど いくら手を伸ばしても ただ空を切るだけ 私が見つけたこの色は あなたには見えてないんだわ 閉じた瞳に虹んだ色も これが運命なのね 働きIAと女王IA そんな感情なんて存在 するはずのなかったこの世界 雄は一人の女王のもので 彼らは子孫のため営む だが彼らが生んだ異端児が 新たな価値観を生み出した それは恋 あなたがパンケーキにかけた 蜂蜜がほろ苦いの ブラックコーヒーは 好きなはずなのに からまった二本の鎖が 冷たく鈍い音を立てる 触れ合う肌に 涙がこぼれた あなたの研ぎ澄まされた触覚は 遠くの砂糖は見つけるのに 私の秘めた蜜の 甘さは分からないのね あなたが挿したその鍵で 私の扉開いてよ あなたの知らない色の世界へ それが運命なのよ 働きIAと女王IA