ただ生きるだけで どれ程傷付き痛みを抱えようとも 朱い情は枯れた 溢れ吹き出すは手垢に塗れた人間色 彼岸 此岸 彼方 此方 べたりべたり 伸びては撫で回して愛でたつもり… 腕の群れ 畝る舌を絡ませて 津液で湿らせたとて そこに爪を立てて掻き乱す 所詮は振り 剥き出しの激情は ただ指が触れただけで 叫び散らす程に痛く 然れど尚、弄られて嗚咽混じりの 涙を垂らして 取り繕う歪 生の有様 死に至る程に獅噛み付いていた 頗る不味い 継ぎ接ぎだらけの隙間から漏れる私 生は侭の形が見えぬ程 酷く醜い 枷の糸を切れば形成さぬ私 剥き出しの執着は ただ幼心の想が見た儚さ 人間の夢 然れど尚、晒け出して 嘲笑に嬲られて身悶える 取り繕う歪 死の有様 剥き出しの命はもう風穴だらけ 痛みを叫べど声に成らず 然れど尚、泣き濡らして 己が命の意味を求めては 静寂の中痛む 無の有様 歪は何時しか 有りの侭の私に成り代わって 歪はその綻びも愛し 私を殺す