すこしずつ集めた星の砂を パラフィンの染みた紙に落としたら お薬みたいに 綺麗に包んで ガラスの小瓶で海へ送り出そう きっとどこか遠くの国 きっと出会うこともない 静けさに満ちてる 私のいない場所へ 流れ着く目覚めの岸辺に 打ち寄せられた 傷まみれのボトル 呼吸さえ覚束ないまま 化石になって 砂の底 何十年何百年 識る術もない未来の なんてことない土塊になれたらいい 細やかに そこにあるような 星切れのひとつぶみたいに 果てしなく乾いた岸辺は 目覚めの波を待ち望み続ける 微睡の熱を帯びた感情に 名前はまだつけられない 流れ着く目覚めの岸辺に 打ち上げられて消えてゆくため また明日も星の砂集めて ガラスの小瓶で空の海に送り出そう