木の間を通り過ぎる 悲しみに挨拶する 願わくば死ねたらと 鼻垂れて生きてゆく 通行人のため息 黒い目で見下す 他人を杖に自分を 歩き続ける 名前のない雫が今も心に落ちる 願いを思いを吐き出して 街の憂鬱に溶け出す 臨終に君がよぎる 悲しみとおさらばする 願わくば会えたらと こうべ垂れて死んでゆく 未成熟なため息 高貴な死を求める 愚かにも人を愛し 大人になる 怒りにならない悲しみがずっと 心にある 願いを思いを吐き溜めて迷える 世界に放たれる 寂しい夕暮れの街路樹が今も 胸に残っている 心の頂きにさらされて僕は 生きる