Karikoは呟いた、 どこにいればいい? どこに行けばいい? 畳にうずくまり震えても 父と母だって いつも怖い顔 誰も私のことを知らない 今日も大事なお皿や花瓶を ひとつずつ砕き割るの 物を壊すひとときだけ 私は私でいられるから (かごめ、かごめ カゴの中の鳥は……) あの山の向こうへ 光に憧れ 走るひとつの小さな影 ここは氷の湖 ボロボロの手足 叩き割る安らぎさえ そして少女は目を閉じた 「もう 壊すこともできないんだなあ……」 Karikoは気がついた、 今日はどこに行く? おやつは何かな! キラキラお休み 電車の中 パパとママだって 柔らかな笑顔 誰も私を責めたりはしない まだ知らない世界や景色へ いつも思いを馳せるの 誰かが私のことを どこからか呼んでいる気がして (隣の正面だあれ……) あの空の向こうへ 自由を求めて 羽ばたいてゆく小さな影 疲れ果てるまで 探して転げて 温かいベッドに飛び込む そして少女は目を閉じた 「前の私はどこにいるのかな……」 幸せなKarikoは実ははんぶんこ 悲しいKarikoとずっとはんぶんこ Uramiに取り憑いて 遠い遠いところから見てる (いついつ出やる……) あの日々の向こうで 交わって離れて 触れたふたつの小さな影 見つめ合いながら 叫ぶ口元に耳を澄ました夢の中 そして少女は目を閉じた 「あの子が誰だか 思い出せないな……」 まわる めぐる 心のかけらが 二人のもとからふわり飛び 立つと……