蒸気をうならせて 導き出すは理想郷 鉄まみれ心臓が軋む 信者が群がった 筆先を讃えしゃれこうべ 泣き方も記された戯曲 「汝は孤独で賢い科学者」 ぞろ目には富をスパイスに欠落を 冴えわたれや ハリボテよ 望みは叶おうぞ 愚直に踊れ お手を拝借 見損なったぞ人類よ 他力をしゃぶろうぞ 極上の夢は 思慮の彼方 差し出された其れに 与える戯曲は「救世主」 待ちわびた心臓が軋む 全てを巻き込んで 何もかもを塗り替えてゆく 打ち壊せ 不覇なる言葉で 散るには軽率 落胆も美学 世界を欺く これぞ最高傑作 塔のてっぺん救世主 誰もが注視した 裂ける平穏に 何をみるか? 「手を挙げろや人類よ」 巡り続けた 遺風の最終章 時は満ちた 「与えられた言葉で 与えられた身分で 何を手にして 何を愛すの? こんな馬鹿げたことは これで終わりにしよう 命を叫べや 命を叫べや」 鎖は解かれて 神様の云うとおり 冴えわたれや ハリボテよ 望みは叶おうぞ 愚直に踊れ お手を拝借 見上げたもんだ人類よ どこまでが誠か 気づかぬままに あゝ 理想郷