誰より深く わたしを知っていた あなたにだけ言えない 秘密がある 重なり合えど 赦されちゃいけない この躰に潜んだ 魔物が笑う 想えば想うほど隠れてしまう いつぞやの朧月の背中へと そこにあなたの手が触れる未来を 待つことがどれほどまで危ういか 誰より深く わたしを知っていた あなたにだけ言えない 秘密がある その手を その目を その輝きをそのままに 別れも告げずに 離れてしまえたらいいのに おのれ どれほどあなたを想っていても リトマスの紙は翳せないまま わたしはそれでも あなたの側に居てしまう 何も言わずに 何も触れずに 全て透かされているかのような夜だ そんなあなたの目に宿る光を 止め処なく それとなく 抱きとめる その手を その目を その輝きをそのままに 別れも告げずに 離れてしまえたらいいのに その手に その目に 残るわたしをそのままに あなたの全てを 忘れてしまえたらいいのに おのれ これまで流れた涙はどれも リトマスの紙に翳せないまま わたしはそれでも あなたの側に居てしまう 嘘はついていない 本当にも触れない あなたにだけ言えない 秘密がある