AWA
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  • 2023.12.06
  • 6:11
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歌詞

良い曲ってなんだろうか。 多分、あなたが 褒めてくれたものが全部そうだ。 ここらで一息つきたいが、 どうやら歩幅を 広げなくちゃいけないらしい。 残り滓でいいから 手放せないもの。 見放されたって 持っていたいもの。 ひとりよがりの音楽があって、 守らなきゃいけない 凹みがあって、 誰にも渡したくなかった。 その中で、たった一人の 例外だった。 良い歌詞ってなんだろうか。 多分、あなたから 奪い取ったものが全部そうだ。 信じるってなんだろうか。 そうか。僕が 裏切ってしまったものが それに当たった。 天才にはなれなかった。 でも、あなたが信じてくれたから 凡才にはなれなかったよ。 あなたが好きだと 言ってくれていた歌詞は、 今ではあなたを傷つける 道具になった。 独りで生きるには困らないお金を あなたの歌で稼いでいる。 誰にも触れさせたくなかった。 その中で、たった一人の 特別だった。 良い歌ってなんだろうか。 多分、誰も 傷つけないような歌だ。 もう無理だな。 生きていくってなんだろうか。 多分、あなたが かつて嫌ったものが全部そうだ。 天才なんかじゃなかった。 でも、あなたが譲らなかったから ここまで歩いてこられたんだよ。 そこには大きな光が あるんだろうか。 変わんなきゃ いけないんだろうか。 いずれにせよ僕は それを見てみたいんだ。 いつまでも 此処には居られないから。 いや、居てもいいんだ。 本当はさ。 泥の中で死ぬのも悪くないよ。 それでも 見せたい景色がある人の数が あの頃より少し増えたんだ。 本当は君と見たかった夢だ。 「ほら、私がいなきゃ 困るでしょ」と また、ふざけて 言ってほしいんだ。 今度は本気で言ってほしいんだ。 「この曲、好きじゃない」 と呆れてくれ。 自分を信じられなくなった。 書きたいことなど とっくに無くて、 足はとっくに止まってしまった。 最後だから言うよ。 うん、ちゃんと困るよ。 良い曲ってなんだろうか。 多分、あなたが好きじゃない曲が それになっていくんだ。 振り返っても、書き直しても、 何も変われないから。 君のことを書いた歌を、 君が歌っていた。 僕より少しだけ音痴で、 よほど血が通っていたんだ。 リズムは撚れてしまって、 裏声は細くなって、 ぐだぐだ、ぐだぐだ続いた。 ご機嫌な尻尾みたいだ。 ゆらゆら、ゆらゆらしていた。 引っかかる桜みたいだ。 ひらひら、ひらひらしていた。 夜中の信号みたいだ。 ふらふら、ふらふらしていた。 散骨のように目に焼き付いた。 煌々していた。 消えない価値を貰った。 あぁ、これは 覚えておこうと思った。 この先、何年かかっても、 そんなの望まれていなくても、 返したいんだ。話があるんだ。 聞いてほしいんだ。 あぁ、違うな。 もっと単純なことだった。 寂しいよ。君がいないとさ。 以上をもって、 これを僕の遺書とする。

2曲 | 2023

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