茜ともとれない 東の空 輪郭の無い 地平線 忘れ物はないか 食料はもつか 帆を張る手が 震えまいとしている 誰にも気づかれぬように 行かなくちゃ 誰も見送りなんて 来ないけれど 読み方の忘れた 古い地図 到着地も 現在地も 分からない 行こうか 行けんのか 行くしかないのか 耳をきる風が心地よくて オールを握る手が強くなる どうか到着した場所が 安住の地になりますように 地図なんて 元来 無かったんだ あるのは この想いと身体だけ 急ぐなよ あらがえよ 戦うなよ 最初からさいごの航海なんだ 今も広い海の上で ひとり 死ぬなよ 生きろよ 生き抜けよ