あたたかい春の雨が、 ダメなボクをくるみます。 息継ぎをやめた夜の舗道で、 点滅をしかけたナトリウム灯。 ボクはこの場所で とにかく何かを待っていた。 声も無く、言葉も無く。 そしてそれは、何でもなかった。 何でもないコトの中から、 何でもないモノを求めた。 黒猫がボクの前を 当たり前に横切ってく。 ボクを抱きしめて。 虚ろな夜と、 悲しすぎる春を忘れる頃に。 街はウソツキだからキライ ボクのスキなキミは不用意に ボクにやさしいからキライ。 ナニもナイ。 倖せなボク。 不仕合わせなボク。 ナニもないボク。