そのざらついた声で、 私を惑わす瑣末な事を 戯れに示唆して下さい。 春告げ鳥の慟哭を 口笛で真似てみたんです。 ひねもす塗り重ねた 緑青で手を汚しました。 未来を推し量る事でしか、 前に進めないのです。 あなたを汚すのなら いっそ死んだ方がましなのです。 怠惰な日々を許しあうこと、 すなわち迎合と あなたが教えてくれました。 今さらながらあなたの 酷く孤高な恣意を愛します。 汚れる事などありえない 音楽で愛します。 未来を推し量ることも、 日々を許しあう事も又、 孤独な思惟であり、あなただけが いとおしい全てだった。 手を汚す事など何でもないのです。 あなたに生かされて、 生きていたいんです。 春告げ鳥の鮮やかな緑青に 眼が眩みました。 今さらながらあなたの その酷く孤高な恣意を愛します。 あなただけが私を 生かす事ができるのです。