黄昏のホームで立ち尽くしながら 指先でつまむ死ぬための切符 やっと来た汽車はやっぱり満席 そういう毎日を繰り返している 切符を掲げてなだれ込む人の濁流 怒号が飛び交う単式 ホームの端っこで 足がすくんで身動きも取れず そういうところで息をしている 宵のホームを放り出されて 握りしめた死ぬための切符 きっと明日こそを何度も重ねて 変わるきっかけを待っている 遠くなる車輪の音を聞きながら 泣いて帰る道すがら 両手ですがるしわだらけの切符に 涙のしみを増やしていく それが死ぬための切符でも まるで生きるための切符みたいに