ひとりでいることに 気づかされるひどく賑やかな街 いつまでも来ない誰かを待ち 続けるようなことばかり 繰り返している気になり たぶんその通りだとわらい 目に見えるあらゆるところに 捨てられたペットボトルが 土に還らずに重ねる年月 車道の脇に手向けられた 花の残骸に埋めつくされた缶 コーヒーの錆びた味 口の中に感じ 思わず目を背け その場から逃れるように ただひとり歩き続け この感覚に名前を探す 名前のないこの感覚に この先に連れていくために もしくは ここで別れを告げるために 誰もかれもが 楽しそうに見えるその裏側ばかりが 今日はいやに目につくのは 疲れているからだろう だから 表通りを避けて裏通りを選び 歩けばそこでは何もかもが剥き 出しのまま投げ出され笑い はしゃいでいる 見たくはないものから 逃れようとしても 聞きたくはない声や話が 聞こえてくるのは 皮肉でもなんでもなくそういうもの だとわかることはできても割り 切ることはできないまま ただ 立ち止まらず 歩き続ける ひとり そうしてやっていく 誰かを待つように 誰かに会いに行くように 今日もまたひとり 進んでいるのか 戻っているのか 繰り返しているのか わからないまま ただ今日はひどく 沈みこみ気が 滅入ってしまってはいるけれど 明日にはまた違う 気分になっているかもしれず それは 希望ではなくて これまで生きてきた 経験から得られた 可能性を知ることの強み その感覚を もしもきみが まだ知らないとしたら そのものを教えることはできない だけど その名前を教えることはできる 俺のその名前は新 きみのには きみの名前を 付けて呼べばいい きみの持つ名前を きみにある名前を なければ新しく付けて 名乗れば 俺が 呼ぼう きみのその名前を そう、呼ぼう (呼ぼう きみの名を きみの名を そう呼ぼう) 俺が 呼ぼう きみのその名前を そう、呼ぼう (呼ぼう きみの名を きみの名を そう呼ぼう)