霧の立ち込めた夜の庭園。 真夜中に耳障りな足音。 暖かい紅茶でもいれようか。 君が好きなのは、 ミントの香りだね。 腐らせた恋だから、 「とろり」ととろけそう。 宵闇の中で踊る。 「キスしてよ」 夜と一緒にワルツを踊ろう、 真っ赤な目を隠す。 憂いの歌、 口遊むのはやめにしよう。 黒ずんだ肌、それが愛しいね。 深く積もる土の上に、 埋葬した棺の中に残された、のさ。 ♪ 純白のドレス、君に乾杯。 蜘蛛の巣の張った、 「一つ屋根」の下で。 生煮えの愛だから「とろり」と、 とろけそう。 土の匂いで手招く。 「キスしてよ」 ------二人、吊るされた。 古びた幸せに縋る願いは。 思い出して、 涙するのはやめにしよう。 黒ずんだ肌、それも愛しいね。 後悔なんて無いさ。 埋葬した棺の中で眠ろうか。 夜と一緒にワルツを踊ろう。 真っ赤な目を隠す。 憂いの歌、口遊むのは、 やめにしたね。 もうすぐ太陽が昇る頃だ。 手を繋いで灰になろう、 二人だけの墓場で眠る。 燃えていく、だけ。