暗い クライ 森の片隅 赤い アカイ 果実を拾った これは キット 神様からの 素敵なステキナプレゼント 持って帰れば喜ぶかしら? 嬉しすぎて泣いちゃうかもね 今日は 月がとてもきれいね 早く ハヤク お家へ帰ろ こんな暗い夜には コワイ熊が出るから せっかく見つけたのよ ようやく見つけたのよ 誰にも ダレニモ 決して渡したりしたくない 花咲く森の道私は駆け抜ける 赤い果実を抱えながら このまま帰れば 私もあの人も きっと幸せになれるはず ところが後から 怖い顔をした 熊が私を追いかける お願い 許してください 見逃してください わかっていたの 本当はこの果実が あの熊の宝物だと 私は走る さまよい走る この幸せは渡さない 熊の姿は 月に照らされ 黒い影が私に迫る 正しい道は すでに失い それでも走る ただただ走る 私は泣いて 熊も泣いてた 二つの果実も泣いていた やっとたどり着いた 愛しの我が家 彼は優しく微笑んだけど 私の抱えた 果実を見て とても悲しい顔をしたのです 「いいかい 僕たちの子供はもうすでに この世にはいないんだよ この子たちは本当の お母さんの元へ返してあげなさい」 いつか真実が その牙と爪で 私自身を引き裂いても その暖かい やさしい果実を どうしても欲しかったの 神様私は 許されぬ罪を この手で犯してしまいました 「今ならやり直せる」と あの人は言うけど 「無理よ だってもう…」 家の外で横たわるは 一匹の熊(一人の少女)の亡骸 傍らには ミルクの満ちた小さなガ ラスの小瓶…