昨日はあんなに笑っていたのに、 今、君はおかしくなっている! 眼球が微かに痙攣して、 その手が震えだした その目にいったい何を映している? 焦点は合っていないまま まるで化物でも見るように 怯えきってしまっている 逃げようとしたって、 その脚は命令を拒んでいる その目に浮かんだ混迷と 絶望が愛おしくて 私はその心の臓が 止まってしまわないように、 優しくメスを執った 「綺麗な夢を見たいんだ」 今、壊れていく 私の「神の手」の中、 縋るように救いを求めるあなたの顔 こうして解けていく、 その身体ひとつずつ かつての隣人は無機物になり、 綺麗な目は白く濁りだした 私の恋人は今日も笑っている つられて私も笑ってしまう 私が人を救済ったこと、 君は気がついていたのに 夜になれば君も同じように 死んだ目で私を見るのかな それでも私の利他心は 君の救済を望んでいる 夜がやってきて、 君を手にかけようとして でも君は笑って、 私に優しい目を向ける 私はその心の臓が 祝福されるように、 優しくメスを執った 「綺麗な夢を見ていてね」 今、壊れていく 私の「神の手」の中、 この私が救われるように 祈ったあなたは こうして解けていく、 その身体ひとつずつ かつての友人は無機物になり、 綺麗な目は白く濁りだした 私が全ての死を この手で決めるべきだと 思っていたのに、 私はもう己の死さえも 決められないんだ 「あぁ。」 今壊れていく、私が神を生きた今日 祈っている、 優しく終わらせてほしいんだと そして、私の首が その縄にかけられる 最期の一瞬で、ひとつだけ 思い出した 「私の名は『××××』」