つま弾く指先は欠けた月のよう 散りゆく日々の先照らす微かな灯 冷たく鳴り響きのち残る音に あまねく染み込んでく夜の続き 月へと向かう道 淡い匂い けぶった視界の隅 単純なんて言うから間違った あたしは泣いていた? 憧れた空は描いた色と どこかちょっと違うような 歪んでいる舞台を背に 立ちすくむまま 気が付けば 遥か遠いところまで来てしまった たったヒトリで ざわめくかりそめのココロその裏で たなびく過去 今 未来 付かず離れず 吐き出すように歌う 苦い思い 上がった通り雨 単純だって言うのに疑った あたしは泣いていた 海に似た声が こぼれ落ちた静寂に響くように 耳鳴りに塞いだ手は離せないまま 見下ろせば 遥か高いところまで来てしまった たったヒトリで何も持たないで つま弾く指先と欠けた月模様 散りゆく日々に告ぐ終わりと始まり 煌めく言の葉に乗り浮かぶ音は 揺らめくキオクを連れ未踏の世界へ 憧れた空は描いた色と どこかちょっと違うけど 塞いだ手を離したなら 差し伸べるまま 掴めずに消えたそのすべてで あたしになるという たったヒトリの ただヒトリの