すこし熱を 帯びてこめかみのあたりに 水時計めいた脈をおぼえる 血の管の膨らんで そのたび夜は押し込まれ 暗闇に凹面として命をあたえる すこしはみ出していて 白線をまっすぐに 歩けないあなた 意識 天気 恣意的 敵意 指定 奇異 展翅 閾 真意 金枝 心停止 点滴 (聞いて) (息して) (生きていい) 天使滴定 滴ってしまったのですね 流れるものに確かな 境目などありはしませんが あなたは滴ってしまったのですね ならば、選ぶ必要があります 乳鉢の上で貝殻を砕くか 天使から峻別されえないものとして あなただけを世界とするか レンズフレアとは、そこにたしかに あなたがいたことの証明でしょう? 自動販売機に並んだ海は 補充して間もなくで 常温でした 意識 天気 恣意的 敵意 指定 奇異 展翅 閾 真意 金枝 心停止 点滴 (聞いて) (息して) (生きていい) 天使滴定 踏み越えてしまったのですね あまねく事象は再び 邂逅することがありませんが あなたは踏み 越えてしまったのですね 歪められたひかりの痕跡と 珪素の固有振動を知らずとも 親しみを込めて 輪郭をなぞることはできます あなたがわたしの世界です レンズフレアとは、そこにたしかに あなたがいたことの証明でしょう? 眠りの海の遠浅の 寄せ来る波のゆびさきの ほどけた意味の陽光の 硝子の壜に閉じ込めた天使
