海と、 その深さについて説明する前に、 波の発生原理について、 私の分かる範囲で説明い たします。 波を見ると、 水そのものが 前進しているように感じますが、 水は、ただその場で円運動を しているだけで、 移動をしているわけではありま せん。 水は、ただの媒介であり、本質はそ の伝播されているエネルギーで、 様々な現象が 波の発生要因となっています。 特に風と潮の満ち引きは大きな 要因であり、 風の中でも偏⻄風や貿易風といった 定常的に 吹く強風は大きなうねりを生み 出します。 潮の満ち引きは、 月と太陽の引力で、海が引き寄 せられ発生するため、 緩やかながら地球規模のうねりが 生まれます。 風浪が発生源から減衰しながら 広がっていく自由波に対し、 潮汐は、天体の運動によって、 恒常的に波形が維持される 強制波となっています。 そのため潮汐は、 地球半周ほどの波⻑を 有した、 巨大な波であると捉えられます。 これら二つの要因は非常に大きな スケールで発生しているため、 海岸に打ち捨てられる波 の力は 200 万 MWH を超えると推定されています。 この波打際に寄せては消える 全ての波 は、世界の片隅で揺らいだ風や、3 つの星の位置関係が 複雑に変換された結果なのです。 今歩いている波打際にも、 これから向かう深海からの漂流物が 打ち上がることがあります。 それは 生物の 姿をしているかもしれませんし、 眠っていた エネルギーの可能性もあります し、音の 形をしているかもしれません。 この畏怖すら感じる 碧い海の中には、 いったい何があるのか 実際に潜航して 確かめてみましょう。
