水深 4000m からは「深海層」 と呼ばれる領域です。 英語圏では「底なし」を意味する Abyss を冠する名前で呼ばれ、 氷点下に近い水温、極圧 という極限の環境のため、 この場所で生きていられる 生物はほとんどいません。 そのような環境下でも生存している 魚の一部は不凍タンパク質を 持っているため、氷点下 の厳しい環境でも体が 凍りつくことなく 生きていくことができます。 深海帯で生息する生 物は、 その環境に適応するように 進化してきました。 魚や無脊椎動物は低温高圧環境でも 生 存できるように進化、 もしくは暗闇の中でも捕食できる 手法を編み出し、上部ゾーンよりも 酸素やバイオマス、エネルギー源、 そして獲物が少ない過酷な生態系で 繁栄する術を獲得し てきました。 資源が非常に少なく、 気温が低い水域で生き残るために、 多くの魚や生物は代 謝が非常にゆっくりになっていま す。 深海層の生命の 90%以上が、 独自の光を作る能力である 生物発光を有しています。これは 視覚のための光を 生成するだけでなく、 獲物や仲間を誘惑し、 同時に自身のシルエットを隠 すように、 この能力を発達させてきました。 生物発光をする動物の多くは、 他の色の光より も、より水中を透過する⻘色の光を 生成します。 また、深海帯の生物は、 光が極端に少ない環境で 生息しているため、 複雑なデザインを持 った体や、 明るい色の体色が 必要になりません。 ほとんどの魚達は透明、赤、 または黑に進 化して暗闇にうまく溶け 込むようになっており、 表層で見られるようなデザインを 維持す ることにエネルギーを 浪費しません。 このような過酷な性質を持った 環境であることがお 伝えできれば幸いです。 次は最終層、超深海層になります。 ある意味では、ここがもっとも、 宇宙に近い領域かもしれません。
