待てど暮らせど鳴らない電話 ポケットの中で重みだけが いやにはっきりしてくる ものすごい音を鳴らすのは 低空飛行中の報道ヘリコプター 僕と風景のあわいを往来する 少しだけ耳を塞いだ 少しだけ耳を塞いだ 少しだけ耳を塞いだ 君からの電話を 聞き逃さないように がらくたを返せと言ってやった! 目の前に漂う空気の層を 切断するような感じで 僕の言葉は言葉にならず 喉の奥のヘンな味だけが いやにはっきりしてくる... 少しだけ耳を塞いだ 少しだけ耳を塞いだ 少しだけ耳を塞いだ 君からの電話を 聞き逃さないように 君の気持ちは分かっているけど 本当のところ何ひとつ 分かっていないのかもしれない こんな僕でも大人になったら 明けない夜を忘れちゃって 正しい街の風に 呑まれてゆくんだね いまだけを見つめて 生きるってことが こんなに難しいことだなんて 想像もできないほど... 想像すらさせないほど... 誰かを愛して 壊れてみたいのにね... かわいいかわいい嘘つき達 夢の途中の部屋 カチンコ鳴らして現れ始める 生と死が同じ意味になって 僕を眠れなくさせる 眠れなくさせる 眠れなくさせる