Track by左東京瑚
海の向こうで 雷が鳴ったのを 見ていた波の 鬣が揺れる 砂のない浜辺に 太陽はいない 海の向こうで 神が殺されたのを 視ていた鯨が 荒波を立てる あてのないこの眼に 戦雲が映る 心のままに 生きていたいと 願う、乞う、祈りは廃れる 心のままに 生きていたいと 願う この眼前に 太陽はいない 夜の向こうで 鳴り止まない悲愴の雨を 見ていた鯨を急かすように 空には心臓の 涙が飛び交う 心が肌に近づいてきて 嫌う、忌む、しかし爆音は止まず 心のままに 生きていたいと 願うは燦然とした 冬の雷鳴