「今年は花火があがるかな?」 携帯で浴衣調べながら 「どの色が私に似合う?」って どうせ買わないくせに 去年はコンビニ裏公園で 2人しゃがんで線香花火 先に落としたのは君なのに アイス結局僕が買ったっけ 赤青黄色に染まる君の手、 横顔をきっと 僕以外の誰かも隣からこんな風に ぼーっと見惚れていたのだろう 花火が咲いてしおれる前に どうやって君に伝えればいい 「好き」しか浮かばない からそういうことだろう 「ねぇ、顔赤くなってるよ?」 「違う、これは花火のせいだよ」 家に帰って「もう疲れた」と 駄々をこねる君を想像して ひとり笑いそうになって あぁ少し暑さにやられたみたいだ 「人混みだから」と ドラマの真似して手を繋いでみた 黙ったままぎゅっと 強く握った理由は君に言えなかった 離れる日々が来てしまう前に どうやって僕は伝えればいい 「嫌。」しか浮かばない けどそれじゃだめなんだろう 「来年も一緒に見れるよね?」 そう言った君は泣いていた 少し遠くへ行くだけさ 忘れないと小指でキスした まとめた髪頸が綺麗で 抱きしめる事すら忘れていた 「線香花火またしたいなぁ」 「じゃあ今からする?」 「それはやだ、今日は疲れた」 って君らしいな もしも誰と恋に落ちたり 寂しくて心許してしまっても 「好き?」って聞く僕に 何も気付かれないように やり過ごして 花火が咲いてしおれる前に どうやって君に伝えればいい 「好き」だけじゃ足りない そんなこともうわかってるんだ 「ねぇ、顔赤くなってるよ?」 「うん、これは君のせいだよ」