風が吹き始める 今日は一段と寒くなる日だと ニュースが言ってた 焼け付く甘い匂い シュガーシガーを手に 落ちかけの夕日を背にした電塔 伸ばす影がぼくらを捕まえる あなたの大きく柔らかい 耳を手で覆い隠し 小声で言うんだ 聞こえないだろうけど それでいい 自己満足に酔っ払うだけで 十分なのさ 不思議そうな眼で見つめる 君の中に答えはない 見慣れない道 知らない街の中 歩くとき 二人だけの世界に包まれた 掛け違えたボタン 直す頃には お家に帰るよ、だから No cigar あともう少しだけ 「一緒にいて欲しい」 歪な形の木に登り 二人は果実を齧った 禁断に手をかけたのは 悲しみの蛇に唆されたから 「ある意味それでよかったよ」 そのおかげで僕ら ようやく 人間に成れた瞬間だからさ 上手くはまらないピース2つ 重ねたら同じ形 珍しく慣れないことをした Sugar Cigar ほろ苦く甘い 癖になりそうなのは ずっとずっと恐れている 見慣れない橋 知らない街の中を歩くとき 二人の世界作ったんだ 取れかけのボタンが落ちる時 元いた場所に帰るから だから No cigar あと少しだけでも 「一緒にいて欲しい」 朝が来ないことを祈り 朝が来ないことも恐れた あなたの大きく柔らかい 耳を手で覆い隠し 小声で言うんだ 聞こえないだろうけど それでいい 思い出に酔わされるだけで 十分なのさ 不思議な感覚を覚えている 僕らの中に答えはない 嫌いの一言をくれ あなたに愛を刻んだ夜 自分勝手に進めた針が 示す時間を耐えられない No cigar お家に帰る時間になれば 世界は灰色に染まるのなら No cigar あの時の二人に戻れたら