ネイビーないたみにつつまれて ひかりにくるまれて 異星人になっていっとき 草の根絡む路地 幽霊船はうつらない 熟した鋭いフィルムには 誰もいない透明な渚に漂っている 幽霊船はうつらない 浅く燃える地面蹴り上げて 隠した大きな指で 秘密裏に旅立っていく 体温はくらくてややぬるい さえずりが重なり蒸れる町 繋いだ手を擦っておこすトーチ 揺れてまた立つ波風たち 幽霊船はうつらない 熟した鋭いフィルムには 誰もいない透明な渚に漂っている 幽霊船はうつらない 浅く燃える地面蹴り上げて 隠した大きな指で 秘密裏に旅立っていく 千切雲が薄明かり透かすとき 部屋の隅と角 目と目が合う夜に 窓辺に吹く風にシャツら 揺れるように 笹舟 水面に 波紋 描くといい 永いやさしい手触りが ぼやけて伝わらないように 針の穴に通すような 糸を紡いで鳴いている 永いやさしい手触りが ぼやけて伝わらないように 針の穴に通すような 糸を紡いで鳴いている