旧市街地では猫が焚いている 瞳の焔が闇で光る 気まぐれになって街が眠るなか 誰も気に留めず歩けたらいい 旧市街地では 圭子が唄えば 夢が夜ひらき焔ゆれる 誰も彼も皆 つられて躍れば 窓辺の少年が歌を綴る "感電するような空腹で でっかい花火を打ち上げろ 身悶えるようなさびしさで 君の名前をなぞっている" こころから こころから ひとつ願えばかなうような わからないことばかり この手に収まらないばかり 幼さがうめき回るような でっかい秘密を打ち明けよ だいたい夜は独りぼっち 種を持ちよって燃やすんだ こめかみのあたりから 耳元へ旅を誘うような 一瞬を迷うことはない ゆるやかになだれ込むのさ こころから こころから ひとつ願えばかなうような わからないことばかり この手に収まらないばかり 旧市街地では 猫が焚いている瞳の焔が闇で光る 気まぐれになって街が眠るなか 夢が夜ひらく 焔ゆれる