ドラマチックにならない日々が 君に貰った桃色の飴を 転がしながら溶けてくような 平生最後の味になるのか 君の街に行く電車に乗れど 体感速度は遅くなるのだ 街の景色 街灯が照らす 淡くなってく灰色の春 何もない日々を繰り返すのは 未だあどけない乾いた声と 褒めようのない軽蔑の中 違いだらけの普通の世界 彷徨っているその情景が 踏み出すようにヒラヒラ揺れて 掠れた 飛んだように見えたのだ その羽根が 出会えなかった夜を超えて 1人ぼっちの朝を迎えて 見えた明かりの光芒の先に 君が居たら 行けない場所には行けないままで 言いたい言葉は言えないことで なりたくない人に近づき 見えない君を夢に見てしまう もう大丈夫反対方向の 君が居れば世界はそれでいいのに 確かめようのないものに 揺らされて 例えば君の後ろ姿 抱きしめられない時間の束 笑った君のその声の先に 僕が居たら もうやめて 目を開けて 寝たふりで現実を捨てるのは もうやめて 目を開けて 死んだふりで同情を募るのは