青く揺れていた 満月を掬った 感触もないまま 指をすり抜けた 「もう動かないな」 波の打つ音を 聴き流していた ただ聴き流していた 耳障りだった、 辺りが雑音で 心の奥だけが 拠り所だった 窓を開けた堤防の奥から 水が跳ねて目に入る 痛みの余り瞬いた僕の 視界が青く染まり 揺れる もしも僕があの鳥になって 空高くから海を見下ろせば わからなくなるんだろうな やるせないこんな感情は 青は溶けて残ったのは 萎れた痛みだけで 自分の無力を恨んだ 涙も拭えない 心にともった青い光 おぼろげに浮かんだ僕の月 滲んで揺れてまた海に溶けた 心にともった青い光 おぼろげに浮かんだ僕の月 滲んで揺れてまた海に溶けた もしも僕があの鳥になって 空高くから海を見下ろせば わからなくなるんだろうな やるせないこんな感情は もしも僕が再び歩けたら もしも僕がまた波に乗れたら もしも僕が青い月を掴んで もしも僕がキリもないのにさ もしも僕が